六本木開館 10 周年記念展 |
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フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の 300 年 |
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Celebrating a Decade in Roppongi |
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Sèvres: 300 Creative Years |
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2010 年、国立セーヴル磁器製作所と国立セーヴル陶磁美術館が統合され 「セーヴル陶磁都市」 という新組織になりました。 本展は、「セーヴル陶磁都市」
の所蔵する名品・優品によって、およそ 300 年におよぶセーヴル磁器の創造の軌跡をご紹介する日本で初めての展覧会です。 |
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1740 年、パリ東端のヴァンセンヌに誕生した軟質磁器製作所は、フランス国王ルイ 15 世( 1710- 74 ) の庇護を受けてパリ西端のセーヴルへ移転し、王立磁器製作所に成長しました。 |
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驚くべきことに、セーヴルが協力芸術家として史上初めて受け入れた外国人は、日本の彫刻家・沼田一雅( 1873-1954 ) であり、現在も日本の著名な芸術家・デザイナーたちとのコラボレーションはつづいているのです。
本展ではセーヴルと日本の交流についても作品を通じてご紹介します。 創立から現在まで、常に時代の先端であり続ける 「磁器芸術」 セーヴルの姿をお楽しみください。 |
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大阪会場: 2018 4/7 (土) - 7/16 (月・祝) 大阪市立東洋陶磁美術館 大阪・中之島 |
'2017 11_21 「六本木開館 10 周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の 300 年」のプレス内覧会とプレス説明会の会場風景です。 |
六本木開館 10 周年記念展 |
六本木開館 10 周年記念展 |
ヨーロッパ各国の 宮廷・貴族に愛用されたセーヴル磁器 は富と洗練の象徴になった
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「展示構成」 |
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「展示構成」 |
'2017 1_24 プレス内覧会の作品展示風景、「六本木開館 10 周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の 300 年」図録などとプレス説明会の抜粋文章です。 |
第1章 18 世紀のセーヴル ―王の磁器― |
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左・23 《乳房のボウル》 (「ランブイエの酪農場のセルヴィス」より) ルイ=シモン・ボワゾ(1743-1809)、ジャン=ジャック・ラグルネ(1739-1821) 1787-1788 年 ボウル:軟質磁器、脚台:硬質磁器 ・21 《ルイ 16 世/王の胸像》 ルイ=シモン・ボワゾ(1743-1809)に基づく 1777 年 硬質磁器 ・22 《マリー・アントワネット/王妃の胸像》 ルイ=シモン・ボワゾ(1743-1809)に基づく 1777年 硬質磁器 右・16 《皿》 (「金で引き立たせた草葉と洋紅色のマーガレットの花綱のセルヴィス」、別称「エギヨン伯爵のセルヴィス」より) ピエール・アントワーヌ・メロー(兄) (1754-1791 年に活動) 1773 年 軟質磁器 ・15 《角皿》 (「アストゥリアス公妃のセルヴィス」より) 1774 年頃 硬質磁器 ・13 《皿》 (「ロシア皇帝エカテリーナ2世のカメオとイニシャルのセルヴィス」より) シャルル=ニコラ・ドダン(1734-1803) 1778 年 軟質磁器 |
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・23 1785 年から 1787 年にかけてルイ16世は、ランブイエ城にマリー・アントワネットのために酪農場をつくらせた。 そこで使われたセーヴルの食器セットのなかの乳房のボウルは、マリー・アントワネットが宮廷の厳しい礼儀作法を忘れさせてくれる田園生活の象徴であるミルクを飲むのに使われるはずだった。 ・21/22 肖像芸術は 18 世紀に特段の発達を遂げた。二つの肖像は、絶対王政フランスの最後の王、ルイ 16 世と王妃マリー・アントワネット が主題である。 優雅で威厳に満ちたこれらの胸像は購入先の宮廷で珍重され、また外交上の贈り物とされた。 ・16 皿 このセルヴィスは、1773 年に外務大臣のエギヨン伯爵を仲介して、ルイ15世によってサルデーニャ宮廷に贈られたものである。・15 角皿 このセルヴィスはセーヴルの硬質磁器で初めて作られたものである。 1768 年リモージュ近郊でカオリン鉱床が発見されたことで、1773 年に (中国の方法で) 硬質磁器が商業化された。 ここでの装飾は、金彩の窓枠とミルト(銀梅花)の唐草文様の中に、さまざまな風景が描かれたメダイヨンと、カスティーリャの紋章の塔が交互になっている。 それはルイ15世とスペインのフェリペ5世の孫娘で、将来のスペイン王カルロス4世の妻になるマリー=ルイーズ・ド・ブルボンのためのものであった。 ・13 皿 カメオのセルヴィスは、1776 年にヴェルサイユ宮殿のロシア大使イヴァン・セルゲイヴィッチ・バリアチンスキー王子によってロシアのエカテリーナ2世のために注文された。 797 個で構成された 60 人分の食器セットを完成するために 3 年を要した。 |
第3章 20 世紀のセーヴル ―アール・ヌーヴォーとアール・デコ― |
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左・103 《ダンサーNo.14》 (テーブルセンターピース「スカーフダンス」より) アガトン・レオナール(1841-1923) 1899-1900 年 硬質磁器 右・96 《壺》 「アシェール」 器形:アンリ・バルブリ(1897-1907 年に活動)、装飾:ルイ・トラジェ(1888-1934)/ガブリエル・ロー(1896-1915 年に活動)に基づく 1897 年 硬質磁器 ・99 《壺》 「モンシャナンC」 装飾:ウジェーヌ・シマ(1862-1939) 1898 年 硬質磁器 ・98 《壺》 「ル・ブルジェ B」 器形:クロード・ニコラ・アレクサンドル・サンディエ(1843-1916)、装飾:H.ユルリク/ガブリエル・ロー(1896-1915 年に活動)に基づく 1901 年 軟質磁器 |
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・96/99/98 壺 1897 年から 1916 年のセーヴルの芸術部長を務めた室内装飾家のアレクサンドル・サンディエは、製作所の着想源とレパートリーを活性化させ、アール・ヌーヴォーは多くのコンポジションに浸透した。 この時から器形はよりシンプルになり、文様は花瓶の周囲すべてに展開され、色彩は柔らかくパステル調になる。 1900 年の万国博覧会において、製作所の成功は完全なものだった。 ・103 ダンサー 1897 年、セーヴルの新しい芸術部長のサンディエは、ある舞踏場のラウンジ装飾プランの模型に注目した。 15 体のダンサーで構成された彫刻の 「ビスキュイ」 無釉白磁の群像(ダンサー 11 人、奏者 2 人、 松明を持つ人 2 人) が 1900 年の万国博覧会で発表され、彼はそこで金賞を受賞し批評家や観衆から賞賛された。 事実この優美でたおやかなダンサーたちは、サンディエにとって大切なアール・ヌーヴォーの世界と精神を、見事に表現していた。 |
セーヴルが、1904 年に外国人初の 「協力芸術家」 として受け入れた。 |
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左・107 象とねずみ 沼田一雅(1873-1954) 1906 年 硬質磁器 /右・110 七面鳥 沼田一雅(1873-1954) 1906 年 硬質磁器 |
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・107/110 フランス文学者からの着想、「象とねずみ」 は、ラ・フォンテーヌの寓話を想起させ、一方で 「七面鳥」 は、パレ・ロワイヤルの劇場で 1896 年 2 月 8 日に上映されたジョルジュ・フェイドーの同名のコメディーに通じるものである。 |
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「沼田 一雅」 ジャポニズムやアール・ヌーヴォーを経て、それまで外国人に門戸を開くことのなかったセーヴルが、1904 年に外国人初の 「協力芸術家」 として日本の彫刻家・沼田一雅を受け入れたのは特筆すべきことです。
一雅が提案した女性像や動物像はビスキュイ彫刻 (「ビスキュイ」無釉白磁) となり、その原型は今も大切に保管されています。 一雅は、現在まで続く日本とセーヴルの交流の端緒とも言えるのです。 |
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ここはパリの中心からわずか数キロメートルの郊外、セーヌ河の河畔にサン=クルー公園の緑が広がっている。 この美しい景観を背景に立地するセーヴル磁器製作所は、1740
年の創立以来、フランスの磁器を代表する比類なき存在として、卓越した磁器製作の技を広く内外に知らしめてきた。 製作所は今もその営みを続け、合計 120 名の従業員を擁している。 同じ敷地内にある国立セーヴル陶磁美術館は、1824 年に創立され、今では 「火を用いる芸術分野」 において世界最大規模の美術館になった。 所蔵品は 5 万点を数え、世界の陶磁の歴史とさまざまな様式を一堂に集めて紹介している。 |
お問合せTel:03-3479-8600 |
参考資料:六本木開館 10 周年記念展「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の 300 年」 図録、NEWS RELEASE No.sma0030、Newsletter vol.269、他 |
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